SHINING SMILE 16

 

SHINING SMILE 終章

 
 


「向こうで元気でやってるかね」


長野は屋上のフェンスに手をかけ、空を見上げた。


「ギターやって、あっちの人癒してんじゃねーの?」
 
俺も長野の横に立ち、空を見上げた。


 
 
 


真っ青に光る空。
その中で強く輝きを放つ太陽は、井ノ原の笑顔に似ていた。




 
 
 
「じゃあそろそろ、診察の時間になるから、行くね」
 
すると長野はそう言って、俺に笑って見せた。

「坂本くんはもうちょっとここにいる?」

俺はあぁ、と頷いて、「じゃあまた、」と歩きだした長野を見送った。




 
 
 
 
 

俺たちはまた、笑いながら、ときに泣きながら、

この世界で一生を生きていく。



井ノ原、お前は。

この広い、輝く空から、俺たちに与えてくれるかな。
 
俺たちが負けそうで、辛くて、悲しいときも、変わらずに。



 
 
 
その輝く、笑顔をさ。




 
 
空を見上げる俺の頬を、風が優しく笑うように、ふわりと通り過ぎていった。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


SHINING SMILE    完
 
 
 
 
 
 
2011.8.13
 

 
 
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