ブイロク家族 6
 
 
第6話
 
「おーい。ご飯だぞ〜」
 
快彦が帰ってきてから、ずっと4人はかくれんぼをしていた。家中走り回っていたので、お腹が空いていた4人は、昌行の声ですぐにダイニングに向かった。
 
『いただきます!』
 
朝と変わらずガツガツ食べる4人。昌行と博は、そんな様子を微笑ましく見ていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次の日。やはり快彦、剛、健、准一はそろって登校した。
 
 
快彦が6年1組に入ると、教室は、なんだかいつもと違う空気が漂っていた。
皆チラチラとこちらを伺っているようで、そわそわしていた。
 
 
自分の席について、教科書をいれるために机の引き出しをに手をかけた。
 
 
 
 
 
 
「いっ......」
 
 
快彦の指には、血が滲んでいた。
 
「えっ.....?」
 
引き出しを開けると、縁にいくつかの画鋲がついていた。
 
「なんで......?」
 
クスクスクス............。
教室のどこからか笑い声がきこえた。
 
 
 
 
 
 
 
これって.....
 
 
ちがうよね。
 
 
かんちがい、だよね。
 
 
 
 
 
ただの、いたずら。
 
誰かが、ふざけてやっただけ。
 
 
今日だけ、だよね。
 
 
 
 
...うん。そうだよ。絶対そうだよ。
 
 
大丈夫。
 
 
 
 
快彦はそう信じて、絆創膏をもらいに保健室に行った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「石井、やったな」
 
「おう。アイツ、マンマと引っ掛かったな」
 
「アイツもオロオロした顔、マジウケた〜〜!」
 
「でもやり過ぎじゃねえ? 大丈夫かなぁ? チクったりしねえかな?」
 
「だいじょーぶだいじょーぶ! チクる勇気なんかねーだろっ?」
 
「たしかにー!」
 
 
 
 
「成功だな」
 
『オウ』
 
男子達は不敵な笑みをうかべた。
 
 
 
 
 
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