第2話
「こらっ! 剛君、健君っ!?」
2年生の教室で。つい最近やった席替えで偶然となりになった剛と健。二人は、一時間目から揃って居眠りをしていた。
「ぅう〜〜ん...」
「剛君っ、7×2はっ??」
先生が叱りついでに剛に問題を出した。すると剛は寝ぼけた状態のまま立ち上がった。
剛「ななかけるにーわー......11かなぁあ??」
クラス中がどっと笑った。 すると、その笑い声で、剛と健はやっと目を覚ました。
先生も呆れて笑い、「もういいわっ!」と剛を座らせた。
その頃。
6年1組の教室。
「よし、じゃあ石井。教科書30ページ、読んでみろ」
「はいっ? えー、あー...教科書忘れましたー」
「は? また忘れたのか。昨日も忘れただろう? ...しょうがない。じゃあ、坂本、読んでみろ」
「はい」
快彦は、スラスラと教科書の文を読んだ。快彦は、クラスの中でも、とても成績が良い。
「よし。 石井、お前も少しは坂本を見習って、成績あげる努力をしたらどうだ?」
「はーい」
石井がテキトウな返事をしているとき、快彦は嬉しそうな顔をしていた。自分が先生に認められていることを、ただ純粋に喜んでいた。
その様子を見たクラスの男子は、ヒソヒソと話した。
「最近、快彦ってほめられてばっかだよな〜」
「だよな〜。ほら、見ろよ、ニヤニヤしやがって〜」
「石井をバカにしてんじゃねえの?」
「うっぜえよな〜」
「ちょっと、イタい目に遭わせたいな〜〜(笑)」
教室に、小さな笑い声が聞こえた。