変わらない繋がり 森田剛,三宅健
ふー…
楽屋のドアを閉めて、息を吐く。
長野公演が今終わって、少し安心する。
すぐに福岡に飛ぶから、まだ緊張感は持ってるけど。
「…あ」
ドサッとソファーに座ると、目の前のケータイが点滅しているのに気づいた。
おれにメールする人ってだいたい決まってんだよなー…なんて嫌な予感がして、ディスプレイを開くと。
『三宅 健』
「やっぱり…」
苦笑いしつつ、メールを見た。
『Happy Birthday!!
またおじさんに近づいたな! 今長野だよね?
舞台頑張ってね~
KEN』
あ、そういや今日はおれの誕生日だったな、なんて思い出し。
おじさんは余計だと悪態をつきながら、おれは自然と微笑んでいた。
それから、メール打つのは面倒だが嬉しかったので、おれにしては珍しく、健に電話をかけた。
プルル……
『もしもし、剛?』
「おう」
明るいハスキーボイスが耳に響く。
「メール見たのっ? 珍しいねぇ剛から電話するの!」
「…まあな」
「舞台お疲れー! 次福岡っしょ? 東京帰って来たら渡すねー♪」
プレゼントをくれる、と健は楽しそうに言った。
「ごぉー! はいっ! 誕生日プレゼントッ!」
15年前と同じこと言ってやがる。
繋がってるんだな。
10年以上前から、ずっと。
健のうざったい性格と、感情をあんまり表に出せない性格の、おれ。
2人の、繋がり。
何も変わらない。
これからも。
やっぱりおれはおじさんに近づいたのだろうか。
声には出してないけど、超臭いことを考えてしまった。
今何か言うと変なことを言いそうで、おれは小さく呟いた。
「…さんきゅ」
自分の言った言葉に、カッと顔が熱くなった。
うわ、俺らしくねぇ!
やっぱりおじさんに近づいてる俺!
「…え、剛今『さんきゅ』って言った?!」
「…切るぞ」
嬉しそうに調子に乗っている健を無視して、俺は電話を切った。
森田剛、32歳になりました。
おじさんに近づいたのか、臭いことばかり考えてしまいますが、
これも人間としての成長と捉えたいと思います。
そして健、
ありがとう。
Happy Birthday!! Go Morita!
32th years old.
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剛君バースデイ小説! 剛君32歳おめでとう!
この小説の剛君のキャラはちょっと変ですが…。
キャラメルコンビのお話にしてみました♪
剛君、更なる活躍を期待します。
2011.2.20